第6話 結局、元の木阿弥なのです
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、五臓の働きの連携から、
様々な夏バテの症状があるというお話を
させていただきました。
さて今回は、前回までのお話に加えて、
何やら「肝」にまつわるお話もありそうですが…
気になる本編は、こちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生! 「脾」や「腎」や「肺」が、
夏バテに影響しているというのは
なんとなくわかってきました。
というか、やっぱり水分代謝系が多いように思います。。。
でも、さらに「肝」も影響しているって、
どういうことでしょうか?
深澤先生:
まいちゃんの場合は、
これまでのお話であったように
「肝気うっ血」があるのよね。
この体質は、
今回のような症状を引き起こしやすくしている
原因の1つでもあるの。
まいちゃん:
え!? 「肝気うっ血」が?
うう、ええと。
「肝」って、血を貯めておくんでしたっけ?
深澤先生:
「肝」は、血を貯めておく他にも、
血の出し入れや氣の流れの調整なんかも主っているわ。
ここで重要なのは、
「肝」によって
「運化」の際に働く氣の調整が行われているということ。
まいちゃん:
え?ちょっと、待ってください!
ということは、「肝気うっ血」で「肝」がパンパンだと、
そもそも「脾」の運化に使われる
「氣」の流れが滞っていた、ということになりませんか?
深澤先生:
その通り!
そもそも「肝気うっ血」がなければ、
ここまでまいちゃんの
下痢がひどくなることはなかったかもしれないのよ。
つまり下痢の原因になっている出発地点は、
「肝気うっ血」かもしれないってことね。
まいちゃん:
また出た! 「肝」がパンパンなやつ!
そっかぁ。。。 新人教育のイライラも、熱中症も、夏バテも。
結局は「肝気うっ血」という今の体質から来てるってわけですね。
深澤先生:
そういうこと。
加えて「腎」の方も見ていかなきゃならないかもなのよね。
とはいえ、まいちゃんの場合は、
まずは当面の下痢を治さなくちゃなんだけど、
そこが落ち着いたら、「肝」を見ないといけない、というわけ。
目の前にある症状だけ見ていたら、
結局本当に病の原因となる場所がわからないでしょ?
今回も、症状だけを見ていたら、
まずは「脾」をどうにかしよう!ってなるんだけど、
他にも「腎陽」が足りなかったり、「肺熱」があるかもしれないし、
最終的には「肝気うっ血」という根本原因もある、ということになるの。
まいちゃん:
う〜ん。 やっぱり一筋縄ではいかないんですね。
でも先生、日頃の生活で気をつけるのって、難しいように思います。
深澤先生:
確かにねぇ。 今の快適な生活環境に加えて、
精のつきすぎるお食事は、
避けて通れない現実ですからね。
しかも、美味しいものほど、熱がこもりやすい、という苦笑
体に入れない、というのはほぼ不可能に近いものね。
まいちゃん:
そうなんですよ!
全部拒否してたら、
食べるものも住むところもなくなっちゃいます苦笑
深澤先生:
だとしたら、「出していく」しかないわねぇ
もちろん食事や普段の生活の方が大事なんだけど、
それだけでは足りなくなってしまっている場合が多いのよ。
だから、針治療や漢方薬があるのよ。
まいちゃん:
うう、素人目線で何かするのはよくないですよね。
そして、バランスの悪い生活も。。。
深澤先生:
現代は便利になりすぎていますからね。
それはとっても良いことなのだけど、
便利さゆえに気がつかずに体に負担をかけていることもあるのよ。
例えばパソコンやケータイを
全員が使い出したのなんて、ここ20年の内じゃない?
電気だって100年ちょっと。
それまでは、電気もガスも電磁波もない生活をしていたわけでしょ?
人間の体が何万年もかけて作り上げてきたものを、
数十年で変化させることは難しいものね。
「昔ながらの人間らしい生活」というリズムから
大きく外れている現代の生活は、
やはり負担がかかってしまうということになるのよ。
だからと言って、今の生活を変えるのも難しい。
まいちゃん:
う〜ん、そうなると。
もう今の生活をしながら、
体を維持していく方法を考えなきゃいけない!ってことですね。
深澤先生:
そういうこと!
薬や治療に頼るのは構わないのだけど、頼りすぎは禁物。
普段の生活の中でキープできるのが、本当は一番いいのよ。
まいちゃん:
バランス取れるように、もうちょっと努力していきたいです!
先生、また次回もよろしくお願いします!
様々な夏バテのタイプと五臓六腑の関係。
でも結局は普段の生活が何より大切、ということでした。
今回のお話、いかがでしたでしょうか?
少しでも体の状態や症状を知ることにより、
ご自身の体調管理の理解に役立てていただければ幸いです。
そして、また次回、お会いできるのを楽しみに!
次回も、よろしくお願いいたします。