中医学の基礎 その9 中医学における「相生」
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、五行思想の「相生」と「相克」について
少々説明させていただきました。
前回のお話 中医学の基礎 その8 五行における「相生」と「相克」
本日は前回のお話を踏まえて、
中医学における「相生」について、
軽くお話させていただきたいと思います。
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中医学における五行理論は、
五臓の性質と相関関係を密接に解説するものとなります。
中でも「相生」は、
母親と子供の関係として表現されてきました。
まずは、下の表と図をご覧になってください。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五腑 | 胆 | 小腸(三焦) | 胃 | 大腸 | 膀胱 |
この図を見ながら、少し考えてみてください。
例えば、「肝(木)」についてですが、
「肝(木)」→「心(火)」という流れになっています。
相手を生かす、という流れから見ると
「肝」の機能は「心」を生かす流れとなります。
この流れは、病気になってしまった時にも発生します。
つまり、「肝」が病気になれば、
「心」へその影響が流れるということになります。
なぜなら、「肝」から流れてくるエネルギーが滞り、
「心」へ届かなくなってその影響が出てしまうからです。
また、逆に「心」が病気になってしまっても、
親である「肝」からのエネルギーの流れが正常に受け取れなくなってしまい、
今度は「肝」が病気になってしまうのです。
このように、
通常なら助け合うはずの「五臓」のエネルギーの流れが滞ると、
お互いに生かし合う関係から一変し、
病気の影響が及ぶ関係となることがあるのです。
この相生は、通常は正常な体の機能となっていますが、
エネルギーの流れが滞ったり(不及)、
逆に多くなりすぎたり活発になりすぎてしまう(太過)と、
病気が発生してしまうのです。
では次回、中医学における「相克」について解説してみたいと思います。