中医学の基礎 その10 中医学における「相克」
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、中医学の「相生」について
少々説明させていただきました。
本日は前回のお話を踏まえて、
中医学の「相克」について、
軽くお話させていただきたいと思います。
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早速、下の表と図をご覧になってください。
五行 | 木 | 火 | 土 | 金 | 水 |
五臓 | 肝 | 心 | 脾 | 肺 | 腎 |
五腑 | 胆 | 小腸(三焦) | 胃 | 大腸 | 膀胱 |
前回は「生かし合う」関係でしたが、今回は「剋する」関係です。
中医学において「剋する」とは、
「制する」つまり「制限を与える」という関係になります。
例えば、通常の働きで考えた場合、
木である「肝」は、土である「脾」の機能を制限し、バランスを取っています。
これが、病変して「肝」の機能が過剰になってしまい
「脾」の機能を制限しすぎてしまうと、
「脾」そのものは病気ではないにも関わらず働きが悪くなり、
「脾」と親子関係である「心」や「肺」に影響を与えてしまいます。
また逆に、機能が停滞しすぎてしまい、
本来制限を与えるべき部位を制することができなくなってしまうと、
その過剰に働いてしまい、親子関係のある臓腑に病変が及ぶことにもなります。
このように、相生・相克の関係から病気の流れを読み取り、
その流れのバランスや臓腑の働きを正常にしていくというのが、
中医学でいう治療の考え方です。
そして、これらの症状を読み解くためのヒントが、
常日頃の会話やヒアリング(問診)に含まれています。
だからこそ、日頃のコミュニュケーションが重要であり、
患者さんそのものの、体調と向き合う姿勢であったり、
自分自身の体調を観察するなどの心構えも重要になってくるのです。
それでは、次週はまた新しいエピソードをお楽しみください!