第6話 体の中で七変化
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、氣とはそもそも何で、どのようにして作られるか、
と言うことを説明いたしました。
前回のお話 第5話 世界の始まりはココからです(皮毛肌肉編 その5)
前回に引き続き、
今回は、体の中の「氣」について分類のお話になりそうです。
それでは、気になる本編はこちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生! 「氣」は届けられた場所によって、
性質が変化したり、役割が変わったりする、というお話でしたが、
「氣」ってつまり、一種類じゃないっていうことですよね?
深澤先生:
察しがいいわねぇ笑
まいちゃんのいうとおり、
体の中の「氣」は、
「元氣」「宗氣」「衛氣」「営氣」と、大きく4つに分類されているのよ。
まいちゃん:
4種類もあるんですか!?
以外に多くてびっくりです。
深澤先生:
それだけ、体の働きというのは繊細で複雑、ということね。
それぞれについて、簡単に説明していくわね。
まず1つ目は「元氣」
これは他にも「原氣」や「真氣」と言われることもある、
五臓六腑をめぐる「氣」の元ね。
3つの臓器からやってきた
「水穀の精微」と「天氣」と「腎精」の結合からできた氣のことを言うわ。
まいちゃん:
元気!の語源って、もしかしてここからきてるのかもですね。
確かに元氣がたくさんあれば、
人としてエネルギーがたくさんあることになりますもんね!
深澤先生:
うふふ。そうね!
さて、2つ目は「宗氣(そうき)」。
これは、肺の中に溜まっている氣のことを言うの。
肺の中に取り込まれた天氣が、
水穀の精微と、結合してできたばかりの氣で、
肺の中にとどまって呼吸を司っている「氣」でもあるの。
まいちゃん:
へー!
中医学だと、呼吸も「氣」の働きによるんですね!
深澤先生:
分かってくると、なかなか面白いでしょう??
3つ目は、「営氣(えいき)」
これは、血とともにめぐる「氣」のことを言って、
主に脈官の内側を守る役割ね。
営氣と血とは別のものなんだけど、
血とともにめぐるから切り離すことはできない、と考えられているのよね。
だから「営血」なんて呼ばれ方をすることもあるわ。
最後、4つ目は、「衛氣(えき)」
主に体の表面に存在して、外邪の侵入を防いでいるのよ。
まいちゃん:
あ!もしかして。。。
深澤先生:
そう。この「衛氣」は、お肌、
つまり「皮毛」にとても深く関係しているの。
例えば、夏は暑いのに、時々急に寒くなる日なんかがあるでしょ?
汗を出して熱を放出しやすくしているところに、
突然、外の冷たい「風(ふう)」がやってきたら、どうかしら?
普通は、この「衛氣」の粛降作用で
鳥肌を立てて体を守ってくれるのだけど、
「衛氣」が傷ついてしまっていたら、体の表面を守りきれず、
体の中に外邪である「風邪(ふうじゃ)」が入り込んでしまう。
で結果、夏風邪になってしまうのよ。
まいちゃん:
うう、我がオフィスのエアコン問題を思い出します苦笑
ん? ということはつまり「衛氣」が弱くなると、
外邪の侵入も防げなくなってしまうし、
体の熱も放出されにくくなってしまうし。。。
つまりつまり!
体の防御力が弱くなって、
病気になりやすくなっちゃう、ということですか?
深澤先生:
ご明察!
特に「衛氣」は体の一番外側をガードする、
目に見えない防護服のようなものですからね。
「衛氣」は目に見えず、わかりにくいとはいえ、
その損傷や症状は、必ず体に出てくる。
長年のダメージの蓄積でお肌とともに衛氣が傷ついてしまうと、
何年もかけて体の調節機能が徐々に損なわれていって、
ひどい時には、
傷ついた衛氣の経絡と関係する臓器に不具合を起こしかねない。
まいちゃん:
そうか! 臓腑のサインが経絡に出る、ということは、
逆を言えば経絡が傷ついたら、臓腑も傷つく、ということなんですね!
深澤先生:
そう!「衛氣」は、肌だけではなく臓腑も守っている、
ということにもなるの。
そして私たちのような鍼灸師は、
この経絡の性質を利用して、適切な場所に鍼を打って、
熱を出したり、足りない氣を補なったりしているのよ。
まいちゃん:
体は経絡でつながっている。。。
一見関係ないように見えても、実は深いつながりがあるんですね!
先生、今週もありがとうございました!
4種類の「氣」と働きについてのお話を通して、
体の仕組みとの関係が少しずつ分かってきました。
お肌と経絡、そし五臓六腑は関連したところに影響が出あい、
それが逆に治療にも使われています。
長年の知恵が現代に息づき、
今でも有効な治療法として確立されているのです。
これからも、エピソードや解説を通して、
奥深い中医学の真髄に触れさせていただければと思っております。
今回も、お付き合いくださりありがとうございました。
また次回もお楽しみに!