エネルギーの源は?? (「胃熱」編 その3)
こんにちは!
博厚堂はり治療院の深澤です。
前回は、中医学でいう「胃」の機能について
お話しさせていただきました。
今回は、中医学でいう「胃」の働きの続きから、
新人くんに起こっている体の状態を少しずつ読み解きます。
気になる続きは、こちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生、「胃」という機能が、
西洋医学と中医学で違う、ということはわかりました。
深澤先生:
じゃあ、中医学でいう「胃」を説明するのに、
もう少し補足をしていくわね。
食べ物は、そのままでは体に栄養を吸収できないでしょ?
吸収しやすくするための初期消化を行うのが「胃」という機能になるの。
人間は食べ物のエネルギーを取り入れて、
体を作ったり活動したりするのだけれど、
そのエネルギーを体内に取り込みやすくするために、
「胃」に食べ物を運んで、ドロドロにするのね。
「穀」つまり稲とか麦に表される食べ物のことを指すわけだけど、
この「穀」が「胃」でドロドロに消化された状態のことを
中医学では「水穀」と表すの。
さらに消化されたこの「水穀」が溜まる場所だから、
「胃」のことを別名「水穀の海」とも言うのよ。
まいちゃん:
へー!
確かに胃で消化された食べ物は液状になりますね。
海と言う漢字を使うのは、なかなか粋ですねぇ!
と言うことは、
取り入れられた食物は、
エネルギーを取り入れやすくするために、
「胃」で「水穀」になる、という流れですね。
深澤先生:
そうそう!
そして、この「水穀」の持つエネルギーのことを
「水穀の精微」というのよ。
「水穀の精微」は、「胃」で作られて「脾」で体に運ばれるの。
中医学上では「胃」の機能は、胃単体だけではなく、
「脾」とセットで考えていく必要があるのよ。
だから、この一連の機能のことを「脾胃」というの。
まいちゃん:
「脾」は、前もちょっと出てきましたね。
確か、西洋医学の内臓としては存在しないって。
深澤先生:
「脾」は、主に運ぶ役目を担っているから、
「胃」とは切っても切れない機能になるわね。
ま、今は「胃」の話が中心だから、
「脾」の機能についての詳しい話は、後から徐々にしていくわね。
では次に、「胃」に関する熱に注目しながら、
新人くんの症状を、少しずつ説明していきましょう。
まいちゃん:
先生、よろしくお願いします!
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「胃」について、中医学的な役割が徐々にわかってきました。
それが今回の新人くんの症状とどのように関わっていくのか。
次回、「胃」に関する機能と熱について、
深澤流に深く切り込んでいきます。
※このお話は、事例を基にしたフィクションになります。
実際の登場人物などは、深澤先生以外は架空の人物になりますので、ご了承ください。