季節の変わり目は、体調の変わり目 (「胃熱」編 その4)
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、五臓六腑中
「胃」の機能についてお話をさせていただきました。
さて、今回は、
いよいよ新人君に起こっている体の症状について、
深澤流に説明をしていきます。
それでは気になる本編を、ぞうぞ!
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まいちゃん:
先生! 「胃」が「水穀の精微」を
作り出す機能があるというのはわかりました。
その「胃」からの新人くんですが。
すごい汗が出ているのは、やはり熱が溜まっているからですか??
前回の「肝(かん)」と同様、冬の間に「胃」に熱が溜まるんでしたっけ。
深澤先生:
「熱」については前回少し話したから、
「胃」に熱が溜まっている状態までは、説明としては一緒ね。
ただ今回の「胃」なんだけど、特に今の季節は注意が必要なのよ。
まいちゃん:
また季節が関係しているんですか?
確かに、火鍋を食べるには少々暑い感じがしますが。
深澤先生:
前回の「肝」同様、
「胃」というか「脾胃」にも当てはまる季節があるのよ。
まいちゃん:
でも、春って「肝」の季節だって。
今は春じゃないんですか??
深澤先生:
季節的には春だけど、厳密にいうと「土用」になるわね。
まいちゃん:
え!? 「土用」!?
「土用」って夏だと思っていましたが。。。
深澤先生:
実は「土用」というのは、夏以外にも4回あって。
今はちょうど春から夏に向かっての「土用」に当たるの。
中医学では「長夏」という季節になるわね。
まいちゃん:
1年に4回もあるんですか?
そもそも、土用って何ですか??
夏にうなぎを食べるイメージしかありませんでした(苦笑)
深澤先生:
もともと土用というのは、季節の変わり目のことで、
立春・立夏・立秋・立冬になる前18日間ぐらいがこれに当たるのよ。
それぞれ、節分の前にあるから、
1月、4月、7月、10月にあるんだけど、
4月にある土用は「春土用」といって、
春から夏に向かっていく過渡期の季節になるわね。
そして「脾胃」、と言うか「脾」は季節でいえば「土用」。
つまり、春から夏になる季節の変わり目が一番活発になるの。
まいちゃん:
「脾」が活発になる季節だから、
連動して動く「胃」の働きが活発になって、
熱が吹き出しやすくなる、ということなんですね。
確かに、夏の暑い時よりも、
涼しくなってくる秋ごろにお腹壊しやすいですね。
あれも、季節的には土用あたりなのかも
深澤先生:
そうそう!
だから、春から夏に向かう今の季節も、
「胃」に注意が必要なのよ。
まいちゃん:
ということは、滋養と健康のために火鍋を食べたとしても、
「脾胃」が活発になっている今の季節では、
逆に「胃」から熱がボーボーに吹き出しちゃうっていうことになるんですね。
深澤先生:
しかも、冬からの熱が溜まっているから尚更ね。
体にいい食べ物というのは、それ自体の効果を考えつつ、
食べるタイミングも考慮して摂らないと、
逆に体に良くない効果をもたらすこともあるのよ。
さて「脾胃」の活発になるタイミングがわかったところで、
次は経絡の観点からみていきましょうね。
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徐々に新人くんの汗が噴き出す理由が解明されていきます。
次回は、「胃」に関する経絡と熱についてのお話になりそうです。
では、次回もお楽しみください!
※このお話は、事例を基にしたフィクションになります。
実際の登場人物などは、深澤先生以外は架空の人物になりますので、ご了承ください。