第3話 水門を管理するのは??
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤智子です。
前回は、「脾」には水分を吸収し、
吸収した水分を津液に変化させ、
(この働きを化生:けしょうと言います)
肺へ運ぶ役割があり、
その働きが滞ったり、弱ることで機能が低下し、
病気の症状が出てくる、と言うお話をしました。
さて今回は、「腎」や「肺」が水分代謝の役割を担っていて、
体の浮腫みと、どうやら関係がありそうなお話の続きです。
気になる本編は、こちらよりご覧ください!
ーー ⭐️ ーー ⭐️ ーー ⭐️ ーー
まいちゃん:
先生!
「脾」が滞ると、「水湿」の「運化」が滞って浮腫む、
という流れが不十分みたいですが。
「脾」の他に、「腎」と「肺」が関係しているんですか??
深澤先生:
「脾」「肺」「腎」は、水分代謝に深く関わる3兄弟なのよ。
この3つの「臓」が連携プレーすることで、
体の水分はバランスをとっているのよね。
では「腎」と水分代謝の関係からお話ししていくわね。
さあ、最初にざっくり説明するわよ!
「腎」というのは、「水を主る(つかさどる)」と言われていて、
「水穀の精微」から得られた「津液」を、「三焦」という腑を通して
各臓腑に広く運び届けたり(輸布と言います)、
各臓腑が出した廃液を体の外に排出したりする役割があるのよ。
廃液のことを中医学では「濁」といって、
「腎」からできる廃液であるお小水も、その1つなのよね。
まいちゃん:
うーん、う〜〜〜ん!早いです!
ちょっと、待ってくださいね。。。
まず「さんしょう」って、なんですか??
深澤先生:
「三焦(さんしょう)」というのは、
体中に網の目のように張り巡らされている器官で、
「氣」と「津液」の通り道なの。
中医学的にいうと「水道を疏通して水液を昇降出入させる」器官で、
形としては、「体の中に張り巡らされた水路」の
ようなものをイメージしてもらうと、わかりやすいかな。
で、この「三焦」という水路を通して
体の水分は上げ下げされたり、出し入れされたりしているのよ。
「三焦」は、形が特定できないことから
「名あって形なし」なんていわれてるわ。
まいちゃん:
「三焦」ってつまり、
リンパとか、そんな感じなんですかね?
深澤先生:
そうそう、そんな感じね笑
体の液体を運ぶ器官だと考えてもらえばいいわ。
さて、「腎」で行なっている水分調節の機能には2種類あるの。
まずは「開(かい)」という作用で、
これは水門を開いて水を運び出し、排出する役割。
もう一つは「闔(こう)」といって、
水門を閉じて水を貯蔵する役割になるわね。
この「開・闔」2つの作用を合わせて
「腎」の「蒸騰気化(じょうとうきか)」というのだけど、
これらがバランスよく働くことで、体の水分が調整されるのよ。
まいちゃん:
なるほど! 水門とポンプのイメージですね。
ということは、水門が閉じて、貯める方の「闔」が多くて、
水を排出する「開」が少なくなると、
体の中に水が残るということになりますね。
深澤先生:
そうそう!
それが浮腫みに繋がるのは、イメージできるかしら?
逆に「開」が多く、「闔」が少なくなると、
体の水分がどんどん排出されて、頻尿やお小水の量が多くなるのよ。
まいちゃん:
そっかあ。 浮腫みはダイエットの大敵ですもんね!
トイレ、あんまり我慢しちゃいけませんね苦笑
仕事忙しいと、ついつい後回しにしちゃって。
深澤先生:
お手洗い溜め込んでると、
慢性的に水分が抜けにくくなって、
「腎」の働きが鈍ってくるから気をつけてね笑
さて、次に体の水分の調節を行ってくれている、
もう一つの「臓」である「肺」の話をしようと思うのだけど、
ちょっと休憩してからにしましょうか(^^)
美味しいおやつとお茶はいかが?
まいちゃん:
先生! ダイエット志願の私には、甘い言葉すぎます!
でも、でも! 食べます♪
目の前の誘惑に、
果たしてまいちゃんのダイエットは成功するのか!?
次回は水分調整を司るもう一つの「臓」、「肺」のお話です。