中医学の基礎 その3 「寒」と「熱」
こんにちは。
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、中医学における「陰」と「陽」について
軽く触れさせていただきました。
中医学における「陰」と「陽」のイメージを
作っていただけたでしょうか??
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さて今回は、花粉症のテーマでもある「熱」と
その反対の状態である「寒」について触れていきたいと思います。
まずは、「寒」と「熱」とは何かについてお話させていただきます。
エピソード中にも触れましたが、
中医学では症状に対して処方するのではなく、
その症状の真の原因はどこにあるのか?ということを、
患者さんの症状や状態をヒアリング・観察を通して、
異変が起こっている流れを読み解きながら、
関連している部位も併せて治療していきます。
その際、体の症状を読み解き、診断を下す時に
まずは患者さんに起こっている状態を
「表」「裏」・「寒」「熱」・「虚」「実」・「陰」「陽」の8種類に分類して捉えていきます。
(この分類を「八綱弁証(はっこうべんしょう)」と言います)
今回は、その中の「寒」と「熱」についてになります。
どちらも漢字の通り、寒い・熱い、という分類ですが、
状態としては体感や症状の主観的な性質を表しています。
とはいえ、胃が体感として熱いかというと、そういうわけではありません。
ここが寒熱の判断の難しいところです。
例えば「胃に熱がこもっている」という状態は、
「冬なのに、冷たい飲み物を好んで飲む」といった症状で出てきます
外が寒いのに冷たいものを飲みたい、つまり、
体のどこかに「熱」がこもっているのではないか?
という判断になるのです。
ところが、ただ冷たいものを好んで飲むから
すぐに「熱」の状態か、というと、そうとも言い切れないのです。
エピソードにもあるように、
「健康にいい!」と思って、体が求めてもいないのに、
温かいものをやたらと摂っていることもあります。
その結果、症状を悪化させている患者さんもいらっしゃいます。
ですから、判断を下す時には、
世間話のような細かい問診(ヒアリング)が必要になってくるのです。
では、次回は「寒熱」の内
「熱」について少し触れていきたいと思います。