心と体は、一つなんです(「肝気鬱結」編 その3)
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の、深澤です。
前回、「肝」の滞りにより、
まいちゃんや新人くんたちの「感情」が波立つことが
深澤先生の解説で明かされてきました。
今回は、その話を踏まえて、
「肝」が司る「感情」について、
深澤流解説がキラリと光ります。
それでは、気になる本編はこちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生、「肝」と「感情」に、
一体どんな関係があるのでしょう??
イライラとやる気のなさは、
一見真逆の症状のように思いますが。。。
深澤先生:
そうねぇ。
まずは「肝」の働きが、
どのように「感情」と関係しているかを説明するわね。
「肝」というのは、春の伸びやかさに例えられるように、
条達、つまり伸びやかに上昇したり、発散するのを好んで、
逆に抑圧されるのを嫌う臓なの。
「肝」が正常に働いていると、
情緒が安定して、気持ちが伸びやかになって愉快さが湧いてきて、
頭がスッキリして、思考が働くのね。
まいちゃん:
のびのびしたい元気なヤツだから、
うまく伸びやかにさせていると、快活で陽気な働きをするんですね。
クラスに一人はいる、
頭の回転の早い、ひょうきんなムードメーカーって感じですねーw
深澤先生:
そんな感じねw
ところが、本来伸びたいところを抑圧されると、
発散されるべき「肝気」が滞る、つまり「鬱結(うっけつ)」する。
これが「肝気うっ結証」なのだけど、
もともと「肝」というのは、暴れ者で活発な臓で、
「陰・血」に滋養されて、「陽氣」を巡らせる作用があるの。
つまり「肝」は、
「陰・血」がやってこないと「陽氣」を巡らせることができないのね。
陽氣の巡りが留まってしまって鈍くなり、
悪くなっている状態が「鬱結(うっけつ)」というわけ。
結果、「肝」の伸びやかさが阻害されて、
鬱々としてしまったり、やる気が出なくなったり、
体に力が入らなくなってしまうのよ。
まいちゃん:
陰湿な雰囲気がクラスに蔓延しちゃって、
ひょうきん者がおどけても笑ってくれる人がいないから、
何にもできずにじとーっとしてる感じですねぇ笑
クラスが全体的に暗くなっちゃう!
深澤先生:
あはは。
それにね、イライラしたり情緒不安になるのも、
この「肝気うっ結」からやってくるのよ。
さっきは「肝」が滞ってしまって「陽氣」が体に巡らなくなってしまったけど、
今度は、「肝」に必要な「陰・血」が足りなくなって、
「陽氣」を抑えきれず、活発になりすぎちゃうの。
すると、行き過ぎた「陽氣」が興奮状態を作り出してしまい、
「イライラ」や「不眠」が起こるの。
まいちゃん:
こっちは、ひょうきん者を止める人がいなくて、
暴れまわって授業にならない感じですねぇ苦笑
深澤先生:
そうそう笑
だから、暴走しがちなひょうきん者を止めるためには、
「真面目で口うるさい学級委員」みたいな人が適度に必要なように、
暴れん坊の「肝」の「陽」を抑制するには「陰」が必要なのね。
まいちゃん:
確かに!
クラスにいろんな人がいて、バランスよく活躍するから、
学校が楽しく明るくなるってことですね。
それが「健康」という状態なんでしょうね。
深澤先生:
その通り!
さて、今回「陰陽」の話が少し出てきたけど。
この辺をもう少し詳しく説明させてもらうわね。
まいちゃん:
はい! 先生!
お願いします!
「肝」が感情を司る仕組みが、少しずつ明らかにされてきました。
次回は、この「陰陽」から、
もう一段深いお話になりそうです。
では、次回もお楽しみに!