体に流れるものは何?? (「肝気鬱結」編 その4)
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、「肝」とそれにまつわる感情のお話をしました。
「肝」の働きにより、体の中の氣のバランスが崩れて、
情緒不安定になったり、興奮状態になるとのお話でしたが、
今回は、ここからさらにお話は発展していきます。
さあ、気になる本編はこちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生、「肝」が感情を司るというのはわかりました。
中医学は、なかなか奥が深いですねぇ!
深澤先生:
「肝」にまつわる「陰」や「陽」というお話をちらっとしたのだけれど、
今回はそこについて、もう少し深く掘り下げたいと思うの。
まいちゃんは「氣・血・津液」という言葉を聞いたことがあるかしら?
まいちゃん:
「き・けつ・しんえき??」
深澤先生:
体の中を流れているものをこのように呼ぶんだけど、
「氣」は、前に説明した通り、体を動かすエネルギー、
「血」は、字の通り血液ね。
そして最後の「津液」は、それ以外の生理作用のある体液全部、
唾液とか、涙とかリンパ液とか胃液とか汗とか尿とか。。。
とにかく体に流れる、その他の液体のことを「津液」というの。
ちなみに鼻水や痰なんかは「痰飲(たんいん)」と言って、
病気で発生する液体のことになるわ。
まいちゃん:
へー!
「津液」は、ざっくり全部なんですねぇ!
深澤先生:
「津液」のことを「水」という場合もあるわね。
それぞれの詳しい解説は別にするとして。
今回の内容に関係の深い部分に絞って説明するわね。
「肝」には、
「疏泄(そせつ)」と「臓血」が主な役割としてあるの。
疏泄というのは血や氣を流す役割で、
臓血というのは、血を貯蔵したり、流れを調節する役割なのね。
前にお話した「陰陽二元論」の考え方、覚えてる?
「氣」は「陽」で、
「血」は「陰」というのは、何と無くイメージでわかるかな?
まいちゃん:
はい! 先生!
「陽」は、軽くて活発であったかくて、
「陰」は、重さがあって静かで冷たいんですよね。
深澤先生:
もともと「肝」というのは体の流れのバランスをとる働きがあるのよ。
「肝」が正常に働くことで、
「氣」が正常に巡り、感情も安定するのね。
この働き全体のことを「疏泄」というのだけど、
「肝」は「陰」=「血」を貯蔵して、
「陽」=「氣」を流している、つまり疏泄している、ということなの。
言い換えると、「肝」は「血」を蓄え、
必要な量だけ血を体全身に巡らせるわけだから、
機能が滞ったら、「肝」の中に汚れた「血」が溜まっていくでしょ?
これが「肝気うっ結」の仕組みなの。
さらに滞って汚れた「血」、これを「瘀血(おけつ)」というのだけど、
「肝」の「疏泄」と「臓血」が働かないことで、
長い間「瘀血」が「肝」に溜まっていくと、
「肝気うっ結血瘀証」という症状になっていくの。
本来活発なはずの「肝」がだんだんと機能が鈍って、
情緒不安定になっていく、というわけ。
この汚れて滞った「血」の「陰氣」が体の中で強まって、
鬱々とさせる原因になるのよ。
ただ、話はここでは終わらないの。
まいちゃん:
え!?
まだあるんですか??
深澤先生:
この話をするためには、
「虚実」という考え方をしっかり理解する必要があるわ。
ちょっと長くなっちゃったから、次でお話しするわね。
まいちゃん:
はい!先生、お願いします!
何やら難しい話になってきましたが、
深澤先生、このまま話を進めていくようです。
「虚実」とは、一体どんな考え方なのか!?
次回、続きをお楽しみください!