数学ぽいけど、体の話 (「肝気鬱結」編 その5)
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、「肝気うっ結」のざっくりとした解説をしました。
前回のお話 体に流れるものは何?? (「肝気鬱結」編 その4)
「肝」の機能が「気滞」や「瘀血」で低下して、
感情に作用する仕組みについて、
内容が徐々に深くなっていきます。
さあ、今回はどんなお話が展開されていくのでしょう?
気になる本編は、こちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生、「肝」が感情を司る、
というのはなんとなくイメージができてきました。
でも、「陰陽」の仕組みだけでは説明できないって。
深澤先生:
この話をきちんとするためには、
さらに「虚実」というお話を追加していく必要があるのよ。
まいちゃん:
「きょじつ」って、何の状態のことなんですか?
前の「寒熱」とか、「五行」とは、また別なんでしょうか?
深澤先生:
「表裏・寒熱・虚実・陰陽」という体の状態を見るやり方を、
「八綱弁証法」と言ってね、
「虚実」はその中の1つの分類方法になるの。
五行とは関わりが深いのだけど、
少し見方の角度が違ってくるわね。
「陰陽」「寒熱」「表裏」はこれまでに出てきたから、
今回は、最後の「虚実」の説明になるわね。
まいちゃん:
うーん。
体の状態を説明するのに、
これまでだけでは足りないんですねぇ。
それで、虚実っていうのは、どんな状態なんですか??
深澤先生:
「八綱弁証法」だって、
中医学の中のごくごく1部なのよ笑
中医学は、やはり医学だから、
そんなに単純ではないのよ。
さ、それじゃ「虚実」について、説明するわね。
これは、どんな状態を表しているか、というと。
「陰」と「陽」の平衡状態を表しているの。
簡単にいうとね、
「虚」は、「陰血」「陽氣」が足りなくなっている状態で、
「実」は、「氣」が過剰になっていたり、滞っている状態、というわけね。
まいちゃん:
「不足」と、「過剰・滞り」ですか!
なるほど、足りなくなったら動けなくなるし、
ありすぎてパンパンになっても、動きにくくなりますね。
深澤先生:
ねえ、まいちゃん。
突然だけど、「肝気うっ結」の状態、
つまり「気滞」が起きている状態というのは、
「虚」と「実」、どっちだと思う?
まいちゃん:
うーん。。。
どちらかというと、詰まって動けなくなっちゃっている状態だから、
「実」という状態の方じゃないですか?
深澤先生:
ご明察!
活発で伸びやかにしたい「肝」に、
「氣」が滞ってパンパンになってしまっている状態なのよね。
まいちゃん:
そっか。
「血」が滞って、「陽氣」が流れなくなって、
「肝」に詰まっちゃってるということか。
深澤先生:
だから、「陽氣」が「肝」に過剰に溜まっちゃって、
逆にイライラしてしまう、ということも起きるわけね。
まいちゃん:
あ! なるほど!
「陰」である「血」が滞って、憂鬱になるのと、
「陽」である「氣」が詰まっちゃって、イライラするのと、
両方起きるってわけですね。
深澤先生:
まいちゃんに起こってるイライラと、
新人君たちに起こっているやる気のなさは、
同じ「肝」のバランスが崩れている状態から起きているというわけね。
まいちゃん:
そっか! 先生!
つまり、「肝」を伸ばせばいいわけですね!
今度から、朝日の下でラジオ体操でもしてみます!
深澤先生:
あはは。 それは案外いいかもね!
さて「八綱弁証法」について。
もう少し補足したいことがあるから、
お話を続けてもいいかしら??
まいちゃん:
ぜひ、お願いします!
まいちゃんと新人君の「肝」の状態が、
それぞれの感情ややる気まで作り出していた!
次回、最終回では、
深澤先生は「虚実」についてもう少し補足があるようです。