だからパンパンなんです (「肝気鬱結」編 その6)
こんにちは!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、「肝」のうっ結によって、
五月病の憂鬱とイライラの両方が起こる、ということについて、
お話させていただきました。
前回のお話 数学ぽいけど、体の話 (「肝気鬱結」編 その5)
さて、今回はエピソード3の最終回です。
深澤先生、何やら補足があるようですが、果たして??
気になる本編は、こちらよりご覧ください。
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まいちゃん:
イライラも、憂鬱も、「肝」のつまりからくるんですね。
そして先生、補足があるとおっしゃってましたが??
深澤先生:
以前話した、花粉症で「肝」の「熱」が吹き出す、って話、覚えてる??
まいちゃん:
はい! もちろん覚えてます。
確か、「肝」が冬の間に「熱」を溜め込んじゃって、
パンパンになったところに、動き出して花粉症になっちゃうっていう。。。
。。。。あ! もしかして、先生!
冬の間に溜め込んだ「熱」も、五月病に関係あるんでしょうか?
深澤先生:
実は関係してたりするのよ。
「熱」を溜め込む、っていう状態を、もう少し考えてみて。
「熱」が発散されない状態とはつまり、
冬の間に「肝」が押さえつけられているわけで、
「肝」の「氣」が滞ってしまう状態を自然と作り出してしまっているの。
季節的にも体に「気滞」が起こりやすいっていうことね。
それに加えて、
「熱」でパンパンに膨れ上がっている「肝」が
春の伸びやかな季節になって、さあ!動き出そう!としても
すでに溜めこんでしまった毒素なんかが動きを邪魔してしまう、というわけ。
まいちゃん:
そっかぁ。。。
自分たちが頑張って動こうとしても、
もう「熱」でパンパンだし、「気滞」も起きているから、
動けなくなっているということですね。
深澤先生:
この状態を「実熱証」というのだけど、
特に現代人に多い症状なのよ。
今は食べ物にも添加物がたくさん含まれているし、
空気も水も昔のように綺麗ではないから。
外側の、私たちを取り巻く環境から、
体の中に毒素のようなものが入り込みやすくなっているの。
特に冬は、色々と溜め込むでしょ?
だから、春に動きたくても動けないもどかしさが、
五月病となって、体に現れるのよね。
まいちゃん:
花粉症といい、五月病といい、
結局は体の毒素を「肝」が処理しきれなくって
起きてしまうんですね。
それに、お話を聞いていてちょっと思ったんですが。
最近、イライラしてる人が多いのも、
もしかしたらこの「肝」の「実熱証」の影響ですか?
特に電車に乗ってると、
みんなイライラしてる気がして、ならないんですよ苦笑
深澤先生:
そうねぇ。
100%とは言い切れないけど、影響はあるのかもね。
「肝」が正常に働いていると、
穏やかで快活、そして頭の回転が早くなる、という状態になるから、
イライラしていたり、
疲れ切ってやる気がなかったり、という人が目立つってことは、
普段の生活の中でストレスが溜まっていたり、
生活習慣を整えられない環境が増えてきている、ということの反映になっているのかもね。
やはり、体の滞りは心に出る、ってことね。
まいちゃん:
人ごとじゃないですねぇ。。。私も気をつけようっと!
今回のエピソード、いかがでしたでしょうか?
体と心は繋がっていて、それは現代の生活習慣の反映でもある。
言い換えれば、日頃からのちょっとした気遣いが、
体と心を整えていく、ということにもつながりますね!
次週は、今回話題になった「虚実」について、
「八綱弁証法」をもとに詳しく解説していきたいと思います。