第6話 衛りきれずに陥落します
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、「陰陽二元論」から、
どのように体に「湿」が引き込まれ、
それがどんな影響を及ぼすのか、について詳しく解説していきました。
解説が終わったと思いきや!?
ここからさらにある現代病のお話になっていきます。
気になる本編は、こちらからどうぞ!
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まいちゃん:
先生! 前回の続きということですが、
「衛氣」と「湿」と「脾」には、
ひとことでは言い表せない関係があって、
私の虫刺されの問題だけではない、ということですよね??
深澤先生:
ざっくり、そうね。
そしてこの症状は、
現代病とも言われる、ある病気にとても似ているの。
それは。。。
まいちゃん:
それは。。。!?
深澤先生:
アトピーね。
まいちゃん:
言われてみれば!!
赤く腫れて熱があって、
皮膚が破れて血が出たり、
ジュクジュク膿が後から乾いて、かさぶたになったり。
学生時代の友人にアトピーの子がいたんですけど、
梅雨の季節から夏にかけては、毎年、辛そうでした。
暑くなると痒くなるー!って。
深澤先生:
そうよねぇ。
衛氣が弱っているから。
そもそも体の防御力が低くなっているところに、
「血熱」などの熱証を持っているせいで、
体内に熱を呼び込んでしまうもの。
腫れて熱を持っているところは、
夏の熱の邪である「熱邪」が増えるから、ますます熱くなる。
さらに梅雨の時期の「湿邪」が
既に体の中に入り込んでしまっているから、
体の「内湿」が増えて「脾」の疎泄が低下している。
「脾」は「湿」が、大の苦手な臓腑ですからね。
それに肌肉も損傷しているだろうから、
脾の疎泄が弱っている上に、汗腺の機能が鈍ってるでしょ。
「血熱」の原因となる「肝」の「熱」もあって、
どんどん熱が体に蓄積していく。
すると既に腫れて熱を持っているところが
ますます熱を持って、痛みやかゆみが増していく、
というループになるわね。
まいちゃん:
きいているだけで、辛そうです。。。
深澤先生:
アトピーにも種類があるのだけど、
「熱邪」「湿邪」に対して反応するアトピーの症状は、
まいちゃんの虫刺され状態にとてもよく似ているわ。
そんなアトピーは、耳の付け根や髪の毛の生え際、
首筋や顔や関節の内側、背中なんかに出やすいんだけど、
症状が出ているところは脾や肝系の経絡、
つまりその臓腑がSOSを出している場所に関係しているポイントになるわね。
まいちゃん:
ってことは、先生!
私、もしかしたらアトピーになってたかもしれないんですか??
深澤先生:
「熱」や「湿」が今以上にひどくなったら、
症状が出てたかもしれないわねぇ。
既に肝気鬱で、まいちゃんの場合は肝がパンパンだもの。
梅雨で「脾」の機能が鈍ったら、
熱がますます逃げなくなって、肌肉から出てたかもしれないわね。
大人になってからアトピー発症する人もいますからね!
そうなる前に、針や漢方薬で邪気を出しておいたほうが、
治療も体のメンテナンスもだいぶ楽なのよ。
まいちゃん:
そうですよねぇ。。。
危ないところでしたが、私もそうなってたかもしれないって思うと。。。
蚊に刺されてかゆい!って騒いでる場合じゃないですね。。。
深澤先生:
体は、日常の中でサインを出していますからね。
いつも口すっぱくいってるように、
そのサインが「当たり前」と思ってスルーしてしまうと、
私たち治療家には何も情報が伝わらないから、
正確な治療を施しにくいのよ。
まいちゃんみたいに、
日頃から雑談をしたり、コミュニケーションすることで、
信頼関係も築けるし、治療も素早く適切にできますからね!
まいちゃん:
先生〜〜〜〜!!
自分の話って、思った以上に大切だってわかりました〜〜苦笑
これからもよろしくお願いします!!
「蚊に刺される」という、一見ありきたりな症状から、
ここまで体のことが読み解ける中医学。
1つの症状を細かく見ていくことにより、
問診としての質問も鋭さが増し、それが根治を早める結果ともなる。
小さなことも見逃さないという姿勢こそが、
中医学における最も重要な在り方ということですね!
それでは今週も、お付き合いくださりありがとうございました。
来週もお楽しみに!