中医学の基礎 その21 体の氣のはなし 「元氣」
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は中医学における「氣」のについて
お話しさせていただきました。
前回のお話 中医学の基礎 その20 体の氣のはなし 「氣の役割」
今回は、体の中の4つの「氣」の内、
「元氣」について解説していきたいと思います。
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その名の通り、「元氣」は体を動かすエネルギーの源です。
「真氣」「原氣」と表現されることもあります。
体を動かす原動力となり、
特に「腎精」、つまり腎に蓄えられた「精氣」と深く関係しています。
「腎精」は、生命エネルギーそのものです。
人間は「腎精」からもたらされるエネルギーによって活動できる、
というのが中医学での考え方になります。
人は「腎精」を燃やし、体の活力を得ているのです。
そしてこの「腎精」が尽きると、命もまた尽きるのです。
この「腎精」には、「先天の精」と「後天の精」の2種類があります。
まず「先天の精」ですが、これは両親から頂戴するものです。
誕生とともに与えられ、一生増えることはありません。
一方の「後天の精」は食物、つまり「水穀の精微」から作られる精氣です。
中医学の基礎 その19 食事と五臓六腑「腎」でも触れたように、
この「先天の精」に「後天の精」が注ぎ込まれることで、
命が燃え、私たちは生命活動を維持しています。
そして2つの「腎精」が結合し、命の源となっているのが「元氣」です。
「脾」「肺」「腎」により作られた「元氣」は、
全身に届けられ、体の活動を支える原動力となります。
「元氣」が全身に満ちることによって、
私たちは体を動かし、日々の生活を送ることができているのです。
それでは次回、「宗氣」について解説してまいりたいと思います。