中医学の基礎 その24 体の氣のはなし「衛氣」
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は主に、体の栄養を司る「営氣」について
お話しさせていただきました。
前回のお話 中医学の基礎 その23 体の氣のはなし 「営氣」
今回は、体の中の4つの「氣」の内、
最後となる「衛氣(えき)」について解説していきたいと思います。
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「衛氣」は、「営氣」とは対照的な氣です。
「営氣」が脈中に存在したのに対し、
「衛氣」は脈外に存在しています。
体の外側、主に体表部に位置し、体を守る役割となります。
主に、防御と固摂を司り、その性質上、陽性となります。
「衛氣」は、体表面の皮膚のバランスを制御し、
外邪の侵入を防ぐとともに、体液の漏出を防いでいます。
「衛氣」について詳しくは、
エピソード第6話「体の中で七変化」の後半部分で、
詳細を解説しております。
どうぞご覧になってください。
いかがでしたでしょうか?
「氣」と一言に行っても、
体の中を巡るうちにその役割を変え、
様々な働きをすることで、
私たちの生命活動を維持してくれているのです。
これらの「氣」が多すぎたり(実)少なすぎたり(虚)
バランスを崩すことによって、
体は不調をきたし、病気を発生するのです。
中医学において大切なのは、
表面的な症状からこれらの「氣」が、
今どういう状態になっているかを読み解くことです。
なぜなら、表面的な症状を解消したところで、
真の根本原因が解消されなければ、病は根治しないからです。
真に病を治そうとするのなら、
現れている状態から体の中の流れや、
氣のバランスを深く読み解き、
不具合が起きる真因を捉えることで、
初めて正しい治療や処方が可能となってくるのです。
日々の生活で気にも留めないような情報が大切になる、
一見、何の関係もなさそうなことが、実は重要な情報になる、というのは、
これらの見えない「氣」の流れも含めて、
体に起こる反応を読み解いているからに他なりません。
何気ない会話の中には、たくさんのサインが隠れている。
私たち治療家は、そのように常に捉えているのです。
それでは、今週もおつきあいいただきありがとうございました。
また次回もお楽しみに!