中医学の基礎 その12 「虚証」とその症状
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、八綱弁証法の「虚実」について軽く触れさせていただきました。
「虚実」とは、
体の中の「陰氣」「陽氣」の平衡が失調した状態を
表していることを説明いたしました。
さて、今回はその中でも「虚」について軽く触れていきたいと思います。
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「精気奪すれば即ち虚」
つまり体の中にある精気(体を構成する全ての陰氣と陽氣)が
何らかの原因で足りなくなっている状態が「虚証」です。
「虚証」になると、
体にどんな症状が出るのかを、ざっとまとめてみました。
・疲れやすい
・手足顔の冷えと火照り、のぼせ
・無気力、元気がない
・顔色が白い、艶がない
・口や喉が乾く、カサカサ
・痩せていく
・不眠
・意識が暗く沈みがち
どの部位が「虚証」になっているかで、症状は細かく様々に分かれますが、
全体的に「足りない=虚」というイメージを掴んでいただければと思います。
本来あるべきところにあるはずの「精氣」が足りなくなること(不及:ふきゅう)によって、
人間の体は正常な機能を保てなくなり、徐々に病が進行していきます。
(「精氣」のことを「正氣」とも言います)
また「精氣」は体を防御する役割もあるため、
「精氣」が弱くなることで、内外からの「邪気」を阻む力が弱くなり、
「邪気」が侵しやすくなったり、体の中にとどまりやすくなってしまいます。
「邪気」は、体の中の「精氣」を損傷しやすく、
同時に「邪気」を取り払うためには、「精氣」の力が必要なのです。
「精氣」で満たすことによって、「邪気」を退けるのです。
ですから、一旦「邪気」に侵されてしまった体を正常に戻すためには、
この「邪気」を針や漢方薬で取り払いながら、
「精氣」を補い、強くしていくことが必要なのです。
では、次回は「実証」について解説していきたいと思います。