中医学の基礎 その14 「虚」と「実」の関係性

おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。

前回は「実証」についてお話させていただきました。

 前回のお話 中医学の基礎 その13 「実証」とその症状

さて、今回は「虚証」「実証」それぞれの状態を踏まえつつ
この2つの状態の関連性について、軽く触れたいと思います。

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「虚」「実」も、
体の中に流れる氣のバランスが崩れて起こる状態です。

ただこの2つの状態は
「足りないから虚」「パンパンだから実」と、
言い切れるものでもないのです。

少し流れの面から考えてみましょう。
たとえば「肝」に「虚証」が起きているとします。

「肝」の「精氣」足りなくなっているため、
肝の疎泄機能が低下してしまい、

本来巡るはずの「氣」や「血」が滞り
「肝」の機能そのものが滞ってしまいます。

すると、「肝の虚証」から来る流れの滞りから、
体中の氣や血、津液の流れが悪くなり
「邪気」を作り出してしまうのです。

作り出された「邪気」は「肝」に溜まり
今度は「肝」が「実証」の病証を呈するようになってしまうのです。

これは「虚証」によって「実証」が発生している状態で、
「因虚致実(いんきょちじつ)」といいます。

逆に、「肝の実証」が起きている場合、
「邪気」が「肝」を長期にわたって侵してしまうと、
本来あった「肝の精氣(正常な肝気)」が攻撃されて損傷していき、
「精氣」損なわれることによって、「虚証」の状態へと転化していくのです。

これは「実証」が原因で「虚証」が発生してしまっている状態で、
「実証転虚(じっしょうてんきょ)」といいます。

他にも、これらの状態が入り混じった「虚実錯雑(きょじつさくざつ)」という状態や、
「仮実」「仮虚」という症状と実際の状態が逆になっている状態もあります。

このため、「無気力だからという判断を下すのは性急で、
「なぜ今の状態になったのか」
「どのぐらい前から今の状態なのか」
「その前にはどんな症状があったのか」
など、これまでの経過と現状を踏まえて
患者さんの状態を読み解いていくことが必要なのです。

それでは次回は、
」と「」の関係性について、軽く触れていきたいと思います。

<続く>