第4話 流れが生み出す悪循環
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、「脾」に「陰」「湿」が溜まることで、
身体に不調をきたしている、
ということを解説いたしました。
さて今回は。
「脾」の不調から、
さらに「肝」や「腎」についても言及しそうです。
それでは、気になる本編はこちらからどうぞ!
ーー ⭐️ ーー ⭐️ ーー ⭐️ ーー
まいちゃん:
先生! 前回は「脾」に「陰」「湿」が溜まることで、
私のお下痢が発生している!というお話を伺いましたが、
まだ続きがあるんですか??
深澤先生:
まいちゃん、実はここからが重要になってくるのよ。
これまで「流れ」というのがいかに大切か、という
お話をしてきたけど、今回も例に漏れず、
「脾」に起こった不具合から、
他の臓腑の不具合につながることがある
というお話をしていくわね。
まいちゃん:
はい! ちょっと、気になってたんですが。。。
栄養が体に行き届かないのに、
どうして痩せないのかなって。。
深澤先生:
今日のお話は、まさにそこ!
まいちゃんは、なんでうっすら太っちゃったのか?!
まいちゃん:
うう。。。一応、これでも気にしてるんですよぅ!
どうやったら、このうっすら太りを落とせるのか、気になります!
深澤先生:
ふふふ。
まいちゃんのはね、脂肪というよりも「水太り」なの。
普段から、体重、あまり安定しないんじゃない?
まいちゃん:
確かに生理がくると、
身体の調子が悪くなって太りやすいですねぇ
それと今回のと、何か関係があるんですか?
深澤先生:
関係ありますとも!
水分代謝の立役者、「腎」のことを覚えているかしら?
まいちゃん:
確か、生命力の源「精気」を貯めて燃やす役割と、
水の代謝っていう役割と、でしたっけ??
何か関係がありそうですね。。。
深澤先生:
そう、これまで出てきたのは2つの役割ね。
まず「水分代謝」だけど、
「脾」の運化が鈍っているということは、
水湿の運化も鈍っているということになるの。
特に排出する方が鈍っていると
「腎」で処理できる水分代謝も、鈍ってくるわよね。
「腎」の氣の中でも、
特に陽氣がこの排出する方を司っていて、
不足してくると、水分代謝が鈍ってくる。
この状態を「腎陽虚」というの。
まいちゃん:
体の外に水湿が出ていかないから、
結果、「脾」から「腎」に送られるはず水湿が、
身体の中にたまる。。。
そうかぁ。処理しきれない分の水湿は、
下痢だけじゃなくて
体にたまることもあるっていうことですよね。
深澤先生:
う〜ん、正確にいうと、
脾の運化で一旦取り込まれた水分が、
運化が鈍ることによって、
身体の中から排出されずにたまっていく。
それ以上に体に入ってくる水分は
吸収されずに下痢となって排出される、という感じかしら。
ここでポイントになるのは
「腎」も機能が鈍っているってことね。
まいちゃん:
「腎」って、水分の調節をしている。つまり、
排出できないっていうのは、
「腎」も鈍っていることになるんですね。
深澤先生:
そうなのよ。
「腎」というのは、水湿を主る臓腑になるから、
そもそも「陰」と相性が良いのよね。
つまり、「湿」を引き込みやすい。
まいちゃん:
ということは、
「腎」が「湿」を引き込んで、
鈍っているっていうことになるんですか?
深澤先生:
う〜ん、それは正確ではないわね。
確かに「腎」には「陰」がたまりやすいのだけど、
さっきもいった通り、
「腎」の中には「陽」も含まれていて
それぞれを「腎陰」「腎陽」というのよ。
「腎陰」は身体の潤いを、
「腎陽」は精氣という生命エネルギーを司っているの。
そして陰陽二元論の観点からすると、
やっぱり「バランスが大事」になってくるわ。
まいちゃん:
そうか。今回みたいに
身体の中に「湿」みたいな「陰」が増えちゃうと、
「腎」の中の「陰」が増えすぎちゃって、
「陽」が相対的に減っちゃいますね。
深澤先生:
しかも増えすぎた「陰」で、腰が重だるくなったり、
下半身が冷えたりするから、
腰巻毛布が手放せなくなっちゃう。
「湿」が増えることで、「むくみ」にもなっていく。
すると、ますます身体の中の水分の流れが鈍っていくでしょ?
そして、体に入ったのに運化されない水分は、
そのまま溢れて、下痢となって流れてしまうというわけなのよ。
まいちゃん:
う〜ん。ここでも連携プレーが冴え渡っちゃうんですね。
足がむくんだり、うっすらお肉がついちゃったわけが、
何となく分かりました。。。 恐ろしいです。。。
そのまま脱水機にダイブしたい気分ですよう!
深澤先生:
あはは。 物理的にしぼりとれるなら、
皆さんしているところでしょうね。
さらにさらに!
夏バテには「腎陽」も絡んでくるのよ。
「脾」と「腎」の連携プレーが、
身体のむくみを作り出していた!
さらに「腎」のお話は続きそうです。