第5話 燃料切れにご注意を!
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、まいちゃんのうっすらお肉の原因が、
「脾」と「腎」の鈍化によるものだということを解説致しました。
今回は、さらに「腎氣」からお話が進んでいくようです。
気になる本編は、こちらからどうぞ!
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深澤先生:
今回は、「腎陽」についてお話ししていきたいと思います笑
まず「腎」というのは、
大切な生命エネルギーである「精」を主っているわ。
まいちゃん:
待ってました!
確か「精氣」を貯めて、燃やすんでしたっけ?
深澤先生:
そう!「腎」というのは、
まず「精氣」を蓄えているの。
「先天の精」「後天の精」というのを覚えているかしら?
まいちゃん:
確か「後天の精」は、「水穀の精微」から作られるんですよね?
深澤先生:
「水穀の精微」は、身体の栄養であり、
「精」の源であり、「氣」の原料でもあるの。
「脾」から「肺」に届けられて、
「腎精」と「肺氣」と合わさって、
「氣」や「血」になったりするわね。
そしてこの「精氣」を生命エネルギーの源として、
私たちは活動しているのよ。
「精氣」は、そもそも
「脾」から「水穀の精微」がやってくることで生成されるの。
でも「脾」が鈍ると、
「水穀の精微」そのものがやってこなくなる。
まいちゃん:
そうか!
つまり「脾」が鈍ると、「精氣」の供給も鈍ってしまって、
身体全体の活動が鈍っちゃう、ってことですよね?
深澤先生:
そうなるわね。
さらに「腎」に限らずすべての臓腑は、
「陰氣」だけではなく「陽氣」も宿しているの。
そしてこの「腎」の「陽氣」、
つまり「腎陽」があることによって、
身体の「精氣」が燃やされて、生命エネルギーとなるのよ。
ところがここでも、
「湿」、つまり「陰」が増えると
大元の精が不足して「陽」を傷つけてしまって、
さらに活動が鈍ってしまう。
体に力が入らない、っていうのは、
この「腎陽」が不足している可能性があるのよね。
まいちゃん:
やる気が出なかったり、
お腹に力が入らないっていうのは、
そういうことなんですねぇ!
深澤先生:
さらに夏は、「肺」に熱がたまりやすい季節。
「肺」の中にも「陰氣」と「陽氣」があるのだけど、
夏は特に肺に「熱」、
つまり「陽邪」がたまりやすくなるのよね。
すると「肺」の中の「陰氣」が少なくなって、
肺が乾いてしまう。
「脾」「腎」は冷たい「湿」で鈍っているのに、
「肺」はアツアツで乾いているから、喉が乾く。
すると、ますます冷たいものを飲みたくなるわよね。
まいちゃん:
そういえば私みたいに、腰まき毛布してても、
冷たい飲み物ばかり飲んでいる人、いますね。
前に「寒くないの?」って聞いたら、
「美味しいよ?」って返されました苦笑
あれは、肺に熱がこもっている可能性もあるってことですね。
深澤先生:
あり得るわね。
室内は冷房で冷えているのに、身体の熱は放出されないから。
そういう人は、「胃」やら「肝」やら「肺」やら、
体のどこかに熱を持っているのだけど、
腰は冷えてる、
つまり「腎」は冷え冷えになっていることが多いのよね。
まいちゃん:
どこに熱を持ってて、どこが冷えているかによっても、
だいぶ変わってくるということですね。
深澤先生:
さらにね。
「肺氣」が熱のような陽邪に侵食されると、
肺の機能が「実証」になって滞るから、
肺で作られる「氣」や「血」は不足していくわよね。
すると今度は「衛氣」、
つまり身体の防御力が衰えてしまい、
体に水分が留められなくなって、汗がじわりと出るの。
汗には「氣」も含まれるから、
汗が出れば出るほど体から「氣」が漏れてしまう。
そしてさらに。
「汗は心の液たり」という言葉があってね。
汗が出ることで、「心」に行くはずの「陰氣」が不足してしまう。
というわけで、肺も心もパワー不足でバテてしまう、
気がつけば身体の「氣」が不足している状態になってしまっているというわけ。
寝汗をよく掻くタイプには、この手の夏バテが多いわね。
まいちゃん:
夏バテにも、いろんなタイプがいるんですねぇ
深澤先生:
そうなのよ。
そもそも夏の間にどんなことをしてきたか、や、
もともとの体質から、出てくる症状は変わってくるのよね。
さらにまいちゃんの場合、「肝」も影響しているのだけど。
長くなっちゃったから、次にするわね。
まいちゃん:
えぇえ!?まだあるんですか??
だいぶお話がノッてきた深澤先生。
一言で「夏バテ」と言っても、
体質や夏の過ごし方によって様々な症状があるようです。
まいちゃんの場合、さらに「肝」も影響しているようですか?