第4話 湿っぽいのは苦手です
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回、まいちゃんの体質から熱中症を読み解いた深澤先生。
今週は、夏の暑さと体質について、さらに深く解説が進むようです。
前回のエピソードで登場した「湿邪」について、お話があるようですが、
熱中症とどんな関係があるのでしょう??
気になる本編は、こちらからご覧ください!
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まいちゃん:
深澤先生! 前回、私の「熱実証」の熱中症についてお話してもらいましたが、
ここに「湿」も関係してくるっていうのは、どういうことですか??
深澤先生:
説明的なセリフをありがとう笑
日本は梅雨の後に夏が来る、という季節的なタイミングと、
熱中症とが、とても深く関係している場合があるの。
まいちゃん:
確か、「湿」って、体の中の湿りけのことですよね??
ジュクジュクなやつ。
深澤先生:
アトピーの時に少し触れたのだけど、
この「湿」が体の中に蓄積されていると、
体の中の流れが悪くなってしまうことがあるの。
特に「脾」に「湿」が溜まってしまうと、
「脾」の動きが悪くなってしまい、
お腹が張ってご飯が食べにくくなることがあるのよ。
まいちゃん:
そうか。夏の前って日本は梅雨ですよね。
梅雨からやってくる「湿」が体の中にたまるっていうこともあるんですよね。
深澤先生:
他にも、暑い夏だからといって、
ビールや冷たいものの取りすぎでも、体の中に「湿」は溜まっていくわ。
で、「湿」によって水の流れが停滞してしまうと、
体の中の循環が悪くなって、潤っていない場所ができてくる。
「気滞」が起きてしまうのよね。
すると、その循環の悪いところに水が足りなくなるから、
体が乾きを感じてしまい、喉が渇くようになるのだけど、
「脾」に力がないと、喉が渇いていてもお水が飲みにくい、ということになるの。
まいちゃん:
うぅ〜ん。 体の中の湿気が多すぎてもダメなんですね。
冷たいもの食べすぎで食欲がなくなってる時って、
そんな感じなんでしょうか?
深澤先生:
そうかもしれないわね。
「脾は燥を好み、湿を憎む」という言葉があってね。
とりわけ「湿」には弱い臓なの。
それに「湿」は「陰」だから、「同質を呼び合って」
ますます湿気っぽいものを取り込みたくなってしまうのよ。
冷たいものばっかり飲み食いしてしまうと、
お腹を壊してしまうのは、「脾」に力がない証拠なのよ。
まいちゃん:
「湿」は「陰」。。。でも先生。
「陰」って冷たい感じがしますが、熱中症になっちゃうんですか??
深澤先生:
「陰」の性質で他にも、
「重たい」っていう性質があったの、覚えているかしら?
まいちゃん:
ええと。 確か、重くて、湿ってて、動かないイメージです。
深澤先生:
そう。「動かない」「重い」。
つまり、湿が入り込みすぎると、重くなって動きが悪くなるの。
「湿邪」というのは、体の水分を停滞させるから、
本来体に届けられるべき栄養や氣が滞ってしまい、
各臓器を栄養不足・水分不足にしてしまう原因も作ってしまうの。
夏にむくみやすい、という人は、体の中に「湿邪」をためている可能性が高いわ。
まいちゃん:
そうか!! 「脾」の動きが鈍くなると、
「水穀の精微」が体に取り込まれにくくなりますよね!
。。。で、そこからどうなるんでしたっけ苦笑
深澤先生:
惜しかったわねぇ笑
でも、着眼点としては、いい感じよ!
「脾」が湿邪で動きが鈍くなってしまうと、「水穀の精微」が、肺に送られにくくなるの。
だとね、「水穀の精微」から作られる「精」や「氣」が不足して、
体の水分を調整する力が落ちていく。
前にお話しした通り、
「肺」では「水穀の精微」から「氣」や「精」を作り出していたの、
思い出したかしら??
まいちゃん:
あ! ということは、
体の氣・血・津液も不足するし、流れも悪くなっちゃう。
肺に送られる「水穀の精微」が減ると、肺の氣も足りなくなるから、
水分代謝が落ちちゃう!
深澤先生:
そう! 既に「湿邪」が溜まっているところに、水分代謝が落ちる。
すると、ますますむくんで、汗が出にくくなる。
トイレに行く回数も減ってしまう。
汗が出ないから、放っておくと熱が篭って、
これも熱中症みたいになっちゃうわね。
汗が出ない、喉が渇いているのに水が飲みにくい、
お腹が張る、といった症状を持っている人は、
「熱証」よりも「湿邪」の影響が強い、と考えた方が良いわね。
まいちゃん:
そうかぁ。 一概に熱中症って言っても、
体質によって、原因が違ってくるんですね。
深澤先生:
だから、一見同じように見えても、
実は原因が違う、ということがあるのよ。
まいちゃんが「体質」と言っているのを中医学では「素体」というのだけど、
「素体」を見極める時に必要なのが、「寒熱虚実」というわけ。
この見極めを甘くしてしまうと、
治るものも治らない、という結果になってしまうのよね。
じゃあ、次回は夏の邪と寒熱虚実の関係を
もう少し解説していきましょうね。
湿邪と素体(体質)と夏の暑さの関係性を見極めることで、
体の不具合となる原因を突き止める。
この深澤先生のお話は、まだまだ続きそうですが。。。?