中医学の基礎 その16 食事と五臓六腑 「脾胃」
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
先週のエピソード、いかがでしたでしょう?
一週間をかけて、
中医学における食物の行方についてお話させていただきましたが、
少々駆け足気味のところもありました。
そこで今週は、
先週駆け足で通り過ぎて行ってしまた内容をふまえ、
先週のおさらいをしてみたいと思います。
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まずは「脾胃」の役割から振り返ってみましょう。
最初に、これまで出てきた「胃」「脾」の性質と役割をご覧ください。
<「胃」の性質>
1.食物を受け取り、納める(受納)
2.胃は、水穀の腐熟(初歩的な消化)を行う。
3.胃で腐熟された水穀は、胃氣の降ろす力によって、脾へ運ばれる。
<「脾」の役割>
1.脾は胃で腐熟された水穀を、さらに消化し、水穀の精微という気血津液の原料へと変化させる。
2.脾の昇る作用で、体内に取り込む。
3.脾から肺を通過する過程で、気血津液が、化成される
流石にこの説明だけでは、少々不足気味で流れも曖昧です。
そこで、これらの流れを図にしてみました。
不足分も合わせて説明させていただくと、以下のような流れになります。
詳細を説明しますと。。。
① 口から取り込まれた食物は、胃に受納され、
② 胃の中で腐熟(初歩的に消化)された水穀は、
③ 胃氣の降下の作用により、小腸に運ばれる。
④ 水穀は、小腸で脾の運化を得てさらに消化され、水穀の精微に変化する。
⑤ 水穀の精微は、脾氣の上昇の作用で吸収され、上方へ運ばれる。
⑥ 水穀の精微(気血津液の原料)は、脾氣の昇る力で肺へ運ばれる
説明上、小腸が出てまいりましたが、こちらは後日説明させていただきます。
これら「脾胃」の働きによって、
食物から水穀の精微が作られ、その有用な栄養が全身に行き渡るようになるのです。
次回は、水穀が体の中を通る内に
どのように変化し、吸収されていくのかを中心に
見ていきたいと思います。