中医学の基礎 その17 食事と五臓六腑 「水穀から生み出されるもの」
おはようございます!
博厚堂はり治療院針灸院の深澤です。
前回は、脾胃の働きを中心に、
食べ物がどのように体に消化され、吸収されていくのかを説明させていただきました。
前回のお話 中医学の基礎 その16 食事と五臓六腑 「脾胃と水穀」
さて今回は、食べ物がどのように運ばれて
体に必要な栄養や氣となるのかといった流れを、
水穀の状態変化から見ていきたいと思います。
ーー ⭐️ ーー ⭐️ ーー ⭐️ ーー
水穀は「水穀の精微(氣)」「津液」「水湿」の3種類が混じり合った状態です。
食物は胃に受納された後、腐熟というドロドロの状態になり、
運化(運ばれ、変化(化生)すること)されながら、
体のあちこちに届けられます。
このドロドロの状態を、主に「水穀」と呼ぶことにします。
水穀は、
水穀の精微(氣)と栄養である津液、
上記以外の水湿が混じり合った状態になっています。
この胃で腐熟された水穀は、
胃氣の働きにより小腸に降下されます。
水穀が小腸に降下された後、脾氣の働きにより、
水穀が水穀の精微(氣)へと変化し、脾氣によって吸収され、
脾氣の「昇」の働きによって、脾から肺に届けられます。
一方で小腸には、
「水穀の精微」を抜かれた後の栄養である「津液(栄養)」と「水湿(濁)」が残ります。
脾氣によって、
大部分の水穀の精微と水分を吸収された残りは
「糟粕」となり、大腸へと運ばれます。
大腸では、
糟粕からさらに水湿(濁)が脾によって吸収され、
膀胱へと送られます。
水湿を取られた糟粕は
固形物である「糞便」となり、
肛門から排出されます。
図にまとめると、以下のような形になります。
このように、体の気・血・津液の元となる「水穀」は、
胃から小腸、大腸へと送られるうちに、
「脾」の運化の働きによって変化していき、
最終的には体の外へと排出されるのです。